隠し機能でもなんでもない

 私は年に数回、デイパックの底に溜まった土やゴミを、掃除機で吸い取るということをする。その際、デイパックの生地が掃除機の吸い込み口を塞いでしまうと、掃除機のモーターに負荷がかかって嫌な音がする。それを避けるため、私はいつも手で吸い込み口を軽く覆い、少し開いた指の間から土やゴミを吸い取らせる、という手法を用いてきた。ところがこの方法でも、掃除機の吸引力が強すぎて、デイパックの生地が私の指の間をくまなく被い、吸い込み口が塞がれる、ということが幾度もあった。

 つい先日のことであるが、私はこのデイパックの掃除をしている最中に、ふと見た掃除機のスイッチ、この機種は「入」と「切」の2つしかスイッチが無いのであるが、「入」の下に「強/中/弱」と文字が書かれていることに気がついた。なんとこの掃除機は「入」のスイッチを繰り返し押すことで、吸い込み強度を3段階に調節できる機能がついていたのである!

 恥ずかしながら、私はこの掃除機を8年近くも、1人暮らしの自宅で用いてきたのであるが、この有用な機能について一切気づいていなかった。

メロスは激怒した

 先日、天草に行った時の話。熊本市内から天草へ車で向かう途中、いつも休憩に使うコンビニがある。そのコンビニは駐車場が広く車が停めやすい。その駐車場と一続きになっている土地に、「生産者直売」と書かれた幟が立っていて、果物を売っていた。これまで私は5月から9月の間にしか天草を訪れたことがなく、柑橘類の収穫期ではなかったため、土産として買うのは加工品ばかりであったのだが、今回は1月で収穫期まっただ中である。旅行中に果物そのものを食べるのも良かろうと思い、その直売所へ寄ってみることにした。

 店番をしていたのは、おばちゃん1人で、店には主にポンカンが並べられていた。今回買うのは旅行中に食べる分であるからして、10個程ネットに入ったものが適当であると判断、価格は400円であった。もうこの値段を見た段階で、私はそのポンカンを1袋買おうと決めた。私は果物の相場に明るいわけではないが、それほど高いとは思わなかったし、これより良い条件の品が売っている店を他に知っているわけでもない。だったら、いろいろ悩んだりすることなくスパッと買ってしまおう、と威勢のいいことを考えたのである。

 ところが店のおばちゃんは、私がもう「これを下さい」と言っているにも関わらず、試食用のポンカンを食べるようしつこく勧めてきた。仕方ないので食べてみると、これが甘い。少なくとも私が予想していたよりはだいぶ甘かった。こんな時、素直な人は、「これだけ甘いポンカンがこの値段なら良い買い物だ」と思うのであろうが、私は心が汚れているので、「これはあれか、試食用のポンカンだけが甘くて、実際買ってみるとそうでもない、というパターンか」と、考えてしまった。

 これだから、私は試食をせずに買いたかったのである。

 試食をしなければ、買ったポンカンが美味しくなくても、諦めがつく。甘ければ儲けものだ。しかし、試食したものは甘かったのに、買ったものが甘くない、という最悪のパターンだと、ひどく悔しい思いをすることになるだろう。上手いこと騙して買わせてやったとほくそ笑むおばちゃんの顔を想像したら、夜も眠れまい。

 とはいえ、試食用のポンカンが甘かったからといって、今さら購入を止めるというのはそれこそ変である。「いやぁ、これ甘いですね」などと何食わぬ顔で言いながら、試食をする前から購入を決めていた袋入りのポンカンを購入した。おばちゃんはサービスだと言って1個余分にポンカンをくれた。

 それから3日間の旅程中、私は毎日2~3個のポンカンを食べたのだが、全ての個体が甘かった。どれも甘くて瑞々しくて爽やかな、素晴らしい品質のポンカンであったのだ。

 ポンカンが残り半分になった頃、私は自分を恥じるようになった。なぜ、理由もなく直売所のおばちゃんを疑ってしまったのであろうかと。おばちゃんがポンカンを1個サービスしてくれた時でさえ、私はそれが、甘くないポンカンを騙して売るおばちゃんの罪悪感から出たものではないか、などと悪意のある予想を立てたのだ。私は人を信じる事が出来ぬ人間であった。

 あらぬ疑いをかけてしまった直売所のおばちゃんに償うため、私は天草から戻る際には同じ直売所へ寄り、今度はポンカンを箱買いしようと決めた。なんであれば、自宅用と、実家用と、大学の研究室に計3箱購入しても良い。それくらいしても罰は当たらないはずだ。

 しかし残念なことに、私が帰路に着く日は、九州に大寒波が訪れた日であった。前を通った時に確認すると、直売所は閉まっていた。次回、天草に行く際は、必ずやこの直売所で何かしら購入しようと心に決めた。

ここ3ヶ月のMizukama Blogのトップ記事5つ

書くことが無いときに投稿する記事。これで3回目。2015/11/1-2016/1/31でアクセスの多かった記事5位まで。

1. 「動画再生機としてのRaspberry Pi2
約1年前の記事。割と役に立つはず。

2. 「過ぎたポジティブシンキング
前回のランキング (2015/2/6-5/5)でも3位。ネタ系体験談である。相変わらず本文に登場する塾の名前で検索すると上位にくる。

3. 「U-NEXTの方との交流について
前回は1位。以前は”U-NEXT”で検索しても上の方 (20件以内)にこの記事がリストされていたのだが、表示順位が落ちたようだ。最近改めてU-NEXTについて検索してみたら、昨年、行政指導を受けていたようだ (参照: 総務省|光アクセス回線サービスの卸売を受けて提供するサービスへの転用に係る販売勧誘方法についての株式会社U-NEXTに対する指導)。私が書いた体験談はもう4年も前のものになるが、今もこうして読まれていることを考えると、信用を得るというのは大変だなと思う。この記事は時系列をはっきりさせて詳細に書いたため、ネット上に溢れるただのクレームとは一線を画す出来になっていると自画自賛している。まぁそれだけ当時の私の怒りは大きかったとも言える。

4. 「こっちが気の毒に思ってしまうよ
謎のランクイン。コンスタントに閲覧が発生しているようだ。本文に登場する”GT Force Pro”の製品名で検索すると44位くらいにリストされるが……。

5. 「proxyを通してタブレットの広告を消す
3年前の記事なので内容が古くなっているが、今でも大きく間違ったことは書かれていないはず。proxy関係では色々面倒なことを経験したので、改めて記事を書いたりまとめたりする気力は今のところ無い。

こうして見ると、最近書いた記事がまったくアクセス数を伸ばしていないように思える。1位の記事が一番新しいとは言え、約1年前。それ以外は全て2年以上前の記事である。

悪いことをしてしまった

 以前、知り合いのお宅に呼ばれて食事をしたときの話。私は普段、紙パックで158円/Lの濃縮還元100%ジュースを飲んでいるが、他人の家に招かれた時や、自宅で食事会を開く時は、瓶入りで1Lが300円から800円程度のちょっと高級なストレートジュースを用意することが多い。その日も300円の”りんごジュース”と500円の”ぶどうジュース”、合わせて2本を持って行った。大した出費ではないが、よほどの富裕層で無い限り常飲しているという人は少ないので、ちょっといいものということで喜んでもらえることが多い。

 私を含め5名の大人が招待されていた。皆それぞれ、資力に応じて食べ物や飲み物を持参していて、私もジュース以外に食材を持ってきていた。招待してくれた家族は夫婦と子供3人という構成で、子供たちは一番上が中学生、下は小学校低学年という年齢層だ。楽しく食事が進んでいる中、私は持ってきたジュースを取り出した。大人の中にはビールを飲んでいる人もいたが、車を運転してきた人は酒を飲めないので、ジュースは喜ばれた。ところが、子供たちの母親はなぜか、私の買ってきたジュースを飲んだ上で、自分の子供たちにそれを飲まそうとしなかった。子供に甘い飲み物を飲ませないと決めている家庭もあるが、過去に私はその家庭で糖分たっぷりの飲み物が子供たちに供されたのを見たことがあるので、それが理由ではない。味が悪かったとか、質が悪いとか判断したとも考えにくい。ならばどうして母親は子供たちにジュースを飲ませないようにしたのか。

 少し考えて、私は「しまった!」と思った。おそらくその母親は、子供たちにあまり高級なジュースの味を覚えさせたくなかったのだろう。子供3人を育てていてあまり裕福ではない家族である。中学生ならともかく、小学校低学年の子供であれば、普段よりいいものを飲み食いした結果、家庭で出されるものに不満を持ってそれを顕にするようになる可能性がある。そうなったら親は困る。困るし悲しい気分になるだろう。人の家に持っていくものだからなるべく良いものを、と考えた私の動機は悪くなかったと思うのだが、配慮が足りなかったかも知れない。

 子供は親の監督下にあるので、一緒に遊んだり何か物をあげたりする場合、きちんと親の承諾を取ることが重要である。いろいろな家庭があるので、「うちの可愛い息子に山で虫捕りさせるなんて何事だ!」と怒られる可能性だってあるし、これくらい普通だと思って渡した本が、「上品に育てたうちの娘にはとても読ませられない低俗な本だ!」と判断させる可能性だってある。今回はそこまで大きな問題とはならなかったし、私も相手も嫌な気分になったわけではないのでよかったが、これからより気をつけたいと思う出来事だった。

1話を観て_2016冬アニメ

・「この素晴らしい世界に祝福を!」
比較的テンポが良い。1話を観た限りでは、ラノベ臭も酷くなく、観つづけられそうな気がする。ただスカートが短すぎるのは良くない。

・「石膏ボーイズ」
ウルトラスーパーアニメタイムで、「おしえて!ギャル子ちゃん」を観た後、勝手に始まるので観てしまう、という感じ。

・「だがしかし」
きちんと許可を取って製品名やデザインを出してきているのが評価できる。私は子供の頃、親から駄菓子を食べることを制限されていたので、最近の方がむしろ食べている。

・「おじさんとマシュマロ」
強烈だな。こういうアニメ好き。

・「おしえて!ギャル子ちゃん」
内容はくだらないのだが、テンポや台詞回しが良い。

・「ブブキ・ブランキ」
3DCG自体がが悪いとは思わないんだけど、間のとり方に少し難がある。だからキャラクター同士の会話も、アクションも、すんなり受け入れられない。とはいえ、しばらくは観る予定。

・「大家さんは思春期!」
これは毎週楽しみなアニメになりそうだ。何を隠そう、私は女子中学生が好きなのである。

・「てーきゅう (7期)」
いつもと変わらず。

・「旅街レイトショー」
面白いと思う。タイトルにあるように、朝起きて観てテンション上げるようなものではなく、寝る前に観るようなアニメである。

 まだ今期スタートで、私を悶えさせるようなものには出会っていない。基本的には、先クールから続いている「うたわれるもの 偽りの仮面」を観てれば空腹感は無いし、「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」と「ルパン三世」も加えればお腹一杯である。