学会発表動画をフリーソフトウェアで作る

久々に学会発表をすることになって、発表形式は口頭発表で申し込んであった。私はてっきり、ビデオ会議システムを用いて当日発表するものだと思っていたのだが、事前にスライドに音声を付けた発表動画をアップロードしなければならないということを知り、慌てて発表動画の作成方法について検討する必要が生じた。

ほとんどの人は、Microsoft Office PowerPointの機能を使って動画化しているものと思われるが、私は研究活動のほぼ全てを、Linux上でフリーソフトウェアを使用して行うことにしている。論文執筆は、LibreOfficeのWriterを使用し、統計解析にはRを、図の作成にはRに加えてInkscapeやGIMP、Blender等を用いてきた。ゼミや学会発表のスライド作成は、LibreOfficeのImpressで行い、PDFに出力してそれを発表時に使用してきた。しかし、動画を作成するのは今回が初めてである。Impressには、単体でスライドにナレーションを付けて動画化する機能が備わっていないようだったので、他のソフトウェアと組み合わせて動画をこしらえることにした。

軽く調べて作戦を考えたのち、動画作成は以下のような流れで行った。

1. これまで通り、発表スライドはImpressで作成し、PDF形式で出力。
2. pdftoppmを使用して、PDFの各ページをPNG画像に変換。
3. スライド資料を画面上で見ながら、Audacityで発表音声を録音。
4. そのままAudacity上で音声を編集。ちょうどいい長さになるよう間を詰めたり足したりし、さらにノイズの除去を実施後、WAV形式で書き出し。
5. Pitiviで音声ファイルを開き、それを再生しながら、適当なタイミングで切り替わるよう、スライドのPNG画像をトラックに追加し、表示開始時と長さを調整していく。
6. Pitiviで動画ファイル (今回はmp4)を書き出して完了。

pdftoppmとPitiviは使用するのがほぼ初めてだったが、スムーズに思い通りの結果を得ることができた。結局、一番時間がかかったのは (スライド自体の作成を除くと)、Audacity上で発表音声を編集する作業だった。Audacity自体は、過去にもそれなりに使用した経験があるので、操作方法で迷うということは無かったのであるが、録音時に発生した不快な音を消す作業や、スライドの切り替えをイメージしながら間を調整する作業が、それなりに手間であった。

とりあえず、これらのソフトウェアを使用すれば、Linux上でも学会発表用の動画を作成できることが確認できた。

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