LinuxでのRadeonオーバークロックとBoincについて

 Ubuntu 10.04 64bit環境でRadeon HD 7770を挿している場合の話。既にAMDのドライバが導入されているならRadeon GPUのオーバクロックは簡単で、

# aticonfig –odgc
というコマンドを実行すると、

Default Adapter - AMD Radeon HD 7700 Series
                            Core (MHz)    Memory (MHz)
           Current Clocks :    1100           1125
             Current Peak :    1100           1125
  Configurable Peak Range : [300-1200]     [150-1250]
                 GPU load :    84%

といった感じでまずは現在の状況が表示される。BoincでGPUを使う宿題をやらせている最中なので、Current Clocks = Current Peakになっているが、GPUへの負荷が下がればClockが下がっているのも確認できる。

 Current PeakはConfigurable Peak Rangeに記された範囲で設定可能なので、例えばCoreのClockを最大にしてやろうとすれば、

# aticonfig --od-enable

でオーバークロックを有効にした後、

# aticonfig --odsc=1200,1125

とする。このカードはもともとOverclockされたものなのだが、設定値をさらに上昇させた形になる。

 オーバークロックした場合は温度が気になると思うが、それは

# aticonfig --odgt

を実行すると、

Default Adapter - AMD Radeon HD 7700 Series
                  Sensor 0: Temperature - 61.00 C

のように表示されて確認できる。

 このままだとオーバークロックの設定はXが再起動した際にリセットされてしまうので、

# aticonfig --odcc

で固定する。

 なお、本当にオーバークロックされたのか、別のツールで確かめるため、BOINC ManegerのEvent Logを確認したところ、最初に表示されるハードウェア情報で、GPUについて元が1760 GFLOPS peakと表示されていたのが、オーバークロックしてBOINCをリスタートさせると、1920 GFLOPS peakになった。コアクロックを12/11倍しているので、そのままの数値になっている。ただし、CPUとは異なり、BOINCを動作させたところでGPUの負荷率は100%に張り付くわけではないので、必ずしもオーバークロックした分、宿題の処理速度が速くなるかというと、そうでもないと思う。

 ちなみに、どこで読んだのか忘れてしまったが、多くのBOINCプロジェクトで出されるGPU用の宿題において、GPUのMemory Clockはあまり処理速度に影響が無いらしい。そのため、専門的にBOINCへ取り組んでいる人の中には、メモリークロックを下げ、少しでも消費電力が下がるよう設定している人もいるとか。

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