動画再生支援で消費電力はどうなるか

・まずは測定環境について

Hardware: [HP Pavilion dm1] AMD E1-1200 APU (1.4GHz Dual-core + Radeon HD 7310)
OS: Ubuntu 14.04 LTS 64bit, Kernel 3.13.0-24-generic
Software: MPlayer 1.1-4.8

 詳しくは書かないが、メモリは4GB1枚、ストレージはSSDである。バッテリーはおよそ50回ほど充放電をしている。動画再生支援にはVDPAU方式を用い、グラフィックドライバはオープンなものを使用している。この環境で動画再生支援が行え、なおかつ使用時にCPUの使用率が下がることは、
MPlayerのCPU使用率~動画再生支援と早見再生~ (Mizukama OSS Labo)
で記している。

・続いて測定方法について

 検証に用いる動画は前述の記事でも使った、『ANISAVA(アニサバ)』 第4話 (5:05)である。これを連続で再生し、1回の再生が終了するたびに、連番の数字をテキストファイルに書き込むシェルスクリプトを作成し、実行した。
 なお、再生に用いたコマンドとオプションは、

再生支援なし
# mplayer -fs [file]

再生支援あり
# mplayer -fs -vo vdpau -vc ffh264vdpau [file]

である。
 実行に際しては、まずバッテリーをほぼ空の状態からフル充電し、OSを起動しシェルスクリプトを実行する時点で電源ケーブルを引っこ抜く。あとは放置し、バッテリーの残量が極限まで減ってOSがスリープするまで待つ。
 これを、動画再生支援を使用した時としない時、交互に行って3回ずつの記録を取った。取れる値としては、動画がn回再生できた、という感じになる。
 なお、なるべく動画再生による消費電力の違いを出すため、WiFiはOFF、BTもOFF、スピーカーはミュート (MPlayerによる音声のデコードは行われている)、そして画面の輝度は最低にしている。当然、余計なUSB機器を繋いだりもしていない。

・それでは結果

 再生支援なし: 50, 50, 52
 再生支援あり: 54, 54, 56

・最後に考察

 動画の長さが5分5秒なので、どちらも大体4時間ちょい再生できている計算になる。

 予想していたよりも、動画再生支援の有無で再生できた回数の違いは少なかった。試行回数を重ねれば十分に統計的有意差も出せる差異だとは思うが、概ね4回、時間にすると20分程度の差では、「動画再生支援でバッテリーの持ちが良くなる!」、と声高々には言いにくい。私としては今回のハード構成なら少なくとも20%くらいの違いは出て欲しいと思っていたので、正直がっかりである。

 なお、再生支援なし、再生支援あり、のいずれもが3回目の試行で再生回数を増やしているのは、実験期間の後半になって急に気候が涼しくなったためだと思っている。室温を一定に保っていないという点でもこの測定は曖昧なものだが、それでも一定の傾向については示すことができたのではないかと考える。

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