最近観た映画

・「007 ドクター・ノオ」 Dr. No (1962)
・「007 ゴールドフィンガー」 Goldfinger (1964)
・「007 サンダーボール作戦」 Thunderball (1965)
・「007は二度死ぬ」 You Only Live Twice (1967)
 何も考えずに観れる映画。見え見えで不自然な合成映像や、不思議な造りの敵基地なども、今となっては微笑ましい。

・「マディソン郡の橋」The Bridges of Madison County (1995)
 なんで最後、子供たちがほっこりして終わるのか訳分からん。要約すると、真面目に働いている旦那が子ども達と4日間出かけてる間に、四十過ぎのオバさんが旅行者の男と不倫した、って話だろうが。怖いなぁ……。

・「かぐや姫の物語」 (2013)
 一言で言えば、「なんじゃこりゃ」。高い評価を付ける人たちが信じられん。娯楽作としてそれほど酷い出来だとは思わないが、「企画開始から8年の歳月と50億円を超える製作費が投じられた」(かぐや姫の物語 – Wikipedia)、という前情報を得てしまうと (Wikipediaは視聴前に読まないが、TV番組等で見知っていた)、高い仕上りが求められて当然である。特に良くなかったのは、空想(?)のシーンを挟みすぎたこと。名付けの祝宴中に、走りだして幼少期に過ごした山へ行くシーンや、最後のほうで捨丸と空を飛ぶシーン、これは要らなかった。こういう描写を止めて、もっと真摯にかぐや姫の心情に迫る現実感のある描き方をして欲しかった。あと要らなかったのは、捨丸なるオリキャラ。幼少期のエピソードはまだいいが、最後までひっぱる必要は無かった。なにより恐ろしいのは、捨丸には妻も子どももいるのに、突然再開したかぐや姫と一緒に逃げようと言い出す点である。↑でも不倫モノの映画を批判したが、こういうことが当然であると視聴者に考えさせてはいけない。これまでに私が批判してきた近年のジブリ作品と同じく、映像美と音楽だけで、どうしようもないストーリーを飾り立てている作品である。

メクラチビゴミムシの研究者は要注意

 参加を予定している学会の発表要綱を読んでいて驚いたことがあるので記す。

応動昆第59回大会-山形大学 | 発表要綱 – [1]

 日本応用動物昆虫学会の大会では、昆虫に限らずダニや線虫の研究者も多く参加し、発表が行われる (イノシシに関する発表も見たことがある)。その応動昆の学会大会の発表要綱で次のように書かれているのだ。

「差別用語を含む昆虫和名などの使用は避けてください。」 – [1]より

 調べて見たところ、第54回大会から第58回大会のうち、56回大会と57回大会の発表要綱にも同様の記述が見られる。

応動昆第56回大会-近畿大学 | 発表要綱
応動昆第57回大会-日本大学 | 発表要綱

 「差別用語を含む昆虫和名」と聞いて、私がすぐに思い浮かべたのはメクラチビゴミムシである。メクラチビゴミムシの和名を巡る騒動については、Wikipediaにも記述がある。

メクラチビゴミムシ – Wikipedia

日本産昆虫学名和名辞書 DJI – [2]

 九大の検索システムを用いて調べたところ、オサムシ科の18属に合計233種の”メクラチビゴミムシ”を含む和名がヒットした。以下、科名、学名、種名のリストは[2]を用いて作成した。括弧内は和名内に存在する差別用語に該当すると思われる語句を示している。なお、種数には亜種の数が含まれる。

 メクラチビゴミムシ以外で「メクラ」を含む昆虫和名は、

Dytiscidae ゲンゴロウ科 (2種)
例: Morimotoa phreatica phreatica メクラゲンゴロウ (盲)

Formicidae アリ科 (3種)
例: Cryptopone sauteri メクラハリアリ (盲)

Tabanidae アブ科 (14種)
例: Chrysops basalis キゴシメクラアブ (盲)

がある。地中や洞穴で暮らす動物の中には目が未発達なものが数多く知られ、それらの和名に「メクラ」を付けるのは一般的である (爬虫類ではメクラトカゲの仲間がいる)。

 その他に、

差別用語 – Wikipedia

を参考に、差別用語に該当すると思われる語句で検索をかけた結果、以下のようなものが見つかった。

Lonchopteridae ヤリバエ科 Lonchoptera stackelbergi クモスケヤリバエ (雲助)

Melandryidae ナガクチキムシ科 Bonzicus hypocrita ボウズナガクチキ (坊主)

Halictidae コハナバチ科 Lasioglossum pumilum コビトチビコハナバチ (小人・チビ)

 これに加えて、「チビ」や「シナ(支那)」を含む和名が数多くある。

 私自身は、これらの和名を学会発表で使用することに問題はないと思うし、改名する必要も無い (2007年に魚類学会が目名や科名にも使われてきたメクラウナギの呼称を変更したことがある)と考えるが、学会大会の発表要綱に明示されている場合は、従うべきである。もっとも、私の対象種は差別用語を含んだ和名でないので、私には直接は関係のない話だ。

動画再生機としてのRaspberry Pi2

 Raspberry Piが搭載するBCM2835は”1080p30 Full HD HP H.264 Video Encode/Decode”が可能である。
(参照: High Definition 1080p Embedded Multimedia Applications Processor – BCM2835 | Broadcom)

 つまり簡単に言えば、FullHD 30fpsのH.264動画をハードウェア支援によってスムーズに再生できる。ということである。この仕様はRaspberry Pi2でもどうやら変わっていない。

 1920x1080pxの解像度がある30fpsまでのH.264動画を再生できれば大抵の場合は困らないと思うが、私の場合は再生速度を上げてアニメを視聴することがあるため、FullHD未満の解像度でも1.5倍程度の速度で再生できるかどうかが重要になってくる。

 ところが、Raspberry Pi(2)におけるハードウェア支援を用いた動画再生は、omxplayerというプレイヤーで使えるものの、私が普段愛用しているMplayer2では不可かあるいは困難らしい。問題なのはこのomxplayerで再生速度が自由に変更できないこと。一応再生速度を変更するホットキーが割り当てられてはいる (man参照)ものの、実際操作してみても再生速度が全然変化しなかった (将来のアップデートで改善される可能性はあり)。

 ならばMplayer2でハードウェア支援を使わず再生できるのか、というのがこの記事の本題。旧タイプのRaspberry Piでは、640x360pxのH.264動画 (niconico動画)も滑らかに再生することはできなかったが、Raspberry Pi2であればどうだろうか。私が試したところ、niconico動画からダウンロードした640x360pxのH.264動画は、Raspberry Pi2だとMplayer2を使って1.5倍速+scaletempoでフレームドロップを許可せずとも滑らかに再生することができ、音声と映像の大きなズレは発生しなかった。ただし、シングルスレッドでは映像のデコードが間に合わないので、スレッド数をRaspberry Piが有する4コアCPUに合わせて4にしてやる必要がある (やりかたはman参照)。4スレッドでデコードした場合、先の動画はCPU利用率200%を前後しつつ、遅延無く再生できた。960x540pxや1280x720pxといった解像度の動画では4スレッドにしても映像のデコードが遅れた (エンコードのプロファイルなど、条件は色々あるが割愛する)。

 ところが、Raspberry Pi(2)でMplayer2を使った場合、フルスクリーンでの再生、というか拡大再生が出来ないっぽいという問題が残る。-fsオプションでフルスクリーンにしても、本来のサイズの動画の周囲に黒枠が表示されるだけで、拡大されないのである。-voオプションを指定すれば解決するかと思ったが、どうも無理らしい。これでは動画をじっくり鑑賞するという用途には使えない。デスクトップ環境の中で、複数のウィンドウを立ち上げながら動画を見るという場合には、等倍表示でいいかも知れないが、そういった使い方をする人は極僅かだろう。そもそも、上記のような方法でハードウェア支援無しの動画再生をしていたら、他の作業をするのに十分なリソースが残らない。

 というわけで、現在のところ高解像度のH.264動画を、再生速度を速めてRaspberry Piで再生する、ということは難しいようだ。omxplayerのアップデートを待つしか無い。

iOS用VLCの薦め

 iOS上で音楽を聞く場合、大抵の人は標準のMusicアプリを使うだろう。特殊なオーディオインターフェイス (ヘッドフォンアンプ含む)を接続している場合はその機器で再生するための専用アプリを使うという人もいるかもしれない。しかし私は半年以上前からiOS版のVLCを愛用している。

 VLC最大の利点は、再生速度が変更できることである。アニメやラジオCD等のコンテンツを再生する場合、これは私にとって必須の機能である。iPod touch上では再生速度の変更をするとアプリが落ちることがあり、安定性を欠いてはいるが、Versionが2.4.1になってからは (2.3.0から移行)、設定項目に”Default playback speed”が追加され、0.50x, 0.75x, 1.00x, 1.50x, 1.75x, 2.00xの中から選べるようになったため、ここで1.50xや1.75xを指定しておけば、再生開始時から設定した速度で再生することができる。願わくばもう少し細かく”Default playback speed”を指定できると良いのだが、私は現在アニメを1.50x、ラジオを1.70xで視聴することを常としているため、それぞれ近い値がVLCでも設定でき、都合が良い。

 Version 2.4.1では、音楽ファイルのアートワークの表示も改善され、以前はiTuensで登録したアートワークがVLCでは一部表示されないという問題があったが、大部分が表示されるようになった。VLCの開発に携わっている方々に感謝したい。

 なお私は、Linux環境ではVLCよりもMplayer2を好んで使っている。一方でiOSの他にWindowsやMacではVLCを用いることが多い。Android端末は所持していないが、VLCはAndroid版もあるので、OSSであるVLCの利用を多くの方に薦める。

障害者スポーツセンターに行った話

 よく税金の無駄遣いがどうたらと言う人がいるが、そういう文句を言う前に、税金で用意されている福利厚生を積極的に利用することを考えた方が、建設的ではないかと思う。

 というわけで、市が運営している障害者スポーツセンターに初めて行ってみた。存在は知っていたが、健常者も利用できるとは知らなかったので、これまで7年近く見過ごしていた。京都市障害者スポーツセンターは、体育館とプール、それに卓球室などを備えており、障害のある人とその介助者は無料で利用できるが、障害が無い人でも利用料金はそこまで高くない。今回私はプールを利用したが、料金は610円 (大人)だった。

 一般にこの手の施設は、利用者が少し増えたところで経費は変わらないので、恐らく赤字経営な公的施設を利用して料金を支払うというのは、市民として良い行為だと思う。

 実際に行くまで気になっていたのは、果たしてこのプールは普通に泳げるのか、ということであったが、結論を言えば全く問題なかった。プールは25mx6レーンで、3コース分は主に水中ウォーキングをするための場所として取り分けられていたが、残りの3コースは泳ぐ人用となっていて (ただし私が行った時はそのうち1コースを団体が使用していた)、これは極々標準的な温水プールのセッティングであると言えよう。そして何よりも利用者が少ない (団体合わせて15人程度)ので、泳ぐ人用のコースも1レーンに2,3人しか入っておらず、ある程度のペースで泳いでも全く支障なかった (無論、曜日や時間帯により変わるだろう)。ぱっと見で障害があると分かるのは泳いでいる人の1/3程度で、加えて1/3がその介助者、後の1/3は自由に泳いでいる健常者のようであった。障害のある人の中には、車椅子利用者で泳ぐときも介助者に支えられながら、という人もいれば、泳ぐ人用のコースでガンガン泳いでいる人 (恐らく私より速い)もいた。

 結局、1時間ほど泳いで帰ったが、私としてはまた行きたいと思った。少し前からお腹のあたりがだらしなくなっており、一時は民間のジムを利用することも検討していたが、ジムの会員になって月5000円 (学生価格)払うよりは、どうせ週一くらいしか行かないのだから、月に4回プールに行って610円x4=2440円の方が安い。幸い障害者スポーツセンターは私の住居から近い場所に位置しているので、週一とはいかないかもしれないが、月2くらいで通うことを検討している。