私は小学校高学年から中学生にかけて、江戸川乱歩の作品を大分読んでいるので、おそらく「怪人二十面相」も読んだはずであるが、著作権切れに伴い青空文庫で公開されたので、改めて読んでみた。
本作のテキスト入力、校正、及び公開に関わった皆様へ、感謝を申し上げたい。
この作品は初出が1936年ということで、かなり古い言葉も多く使われているし、今の時代に子供向けとしては相応しくないとされる表現も多々あるが、読んで面白いことは間違いない。以下に私が読んで分からなかった言葉を挙げる。
・高手小手
もうこうなっては、いかな凶賊も抵抗のしようがありません。みるみるうちに高手小手にいましめられてしまいました。
→文脈から察するに、「亀甲縛り」のような縛られ方の名称だと思ったのだが、それはその通りで、後ろ手に縛るだけでなく、首にも縄をかけた厳重な縛り方だそうだ。画像検索すると、女性が縛られた図画ばかり表示されるので注意。
・おこもさん
「なんだい、おこもさんか。おらあ、ほどこしをするような金持じゃあねえよ。」
→文脈で分かるには分かるが、調べないと確信は持てなかった。乞食のことである。
・れいれいしく
というのは、その日の東京毎日新聞の社会面に、二十面相からの投書が、れいれいしく掲載されたことでした。
漢字は「麗麗しく」。子供向けの作品なので、漢字で記していないところが逆に意味を掴みにくい。そこまで古い表現ではなさそうだが、「派手に」「目立つように」という意味らしい。
青空文庫では江戸川乱歩の作品が今後も90作以上公開予定のようで、楽しみにしたい。「心理試験」「D坂の殺人事件」「人間椅子」は既に公開済みで私も読んだが、どれも面白い。
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