最近観た映画

 熊本天草6泊7日の旅で合間合間にPS vitaで観た映画。

・「イエロー・ハンカチーフ」The Yellow Handkerchief (2008)
 以前観た邦画「幸福の黄色いハンカチ」(1977)のアメリカ版リメイクである。と言っても「幸福の黄色いハンカチ」の原作はアメリカ人のコラムらしい (未読)ので、何がどう日本風あるはアメリカ風にアレンジされたのか、不明である。本作を観てまず感じたのは、「回想シーンが分かりにくい」ということ。勿論どこからどこまでが回想シーンなのか判別はできるのだが、切り替え前のシーンがちょっと曖昧というか、急に切り替わって「あれ?」と感じることが多かったのだ。ストーリーの流れは「幸福の黄色いハンカチ」と基本的に同じだが、登場人物のキャラクターは大分違う。あと「幸福の黄色いハンカチ」が北海道の美しい風景を舞台にしているのと比べると、本作の舞台は見劣りするように思われた。

・「コクリコ坂から」 (2011)
 よく分からない。とりあえず、私としては金を払って観る映画ではないと思った。冒頭の調理風景など目を見張るような描写もあるのだが、ストーリーが安っぽく流れが悪い (というか、おそらく原作から抽出しすぎている)ので、どうしても高い評価はできない。別にアニメ映画として製作自体を否定すべきものではないが、ジブリという大看板を引っさげて大々的に宣伝するほどのものでもない。あとどうでもいいが、作中に出てきた部室棟「カルチェラタン」の名前で、昔読んだ佐藤賢一著の「カルチェ・ラタン」を思い出した。おそらく私が最初に「カルチェラタン」という言葉と出会ったのは、はやみねかおる著の「虹北恭助の冒険」に登場する仏蘭西料理店「カルチェラタン」である。これを読んだ後、高校の図書室で小説「カルチェ・ラタン」を見つけ手に取ったのであるが、この小説は一言で面白いとか興味深いとか言い表せるものではなく、不思議な魅力のある小説である。どちらかと言えば読みにくい部類に入るし、結構恐ろしいところもあるので、気軽に他人に薦められる作品ではないのだが、今回思い出したので今度古本屋で見つけたら再読しようかと思った。

・「ミラーを拭く男」 (2004)
 Wikipediaではあらすじ説明の中で「家族の崩壊と再生の物語」と書かれているのだが、どちらかと言えば崩壊がメインであるように感じた。本作では事故を起こす前の様子がほぼ描かれていないので、事故前後での変化は不明なのであるが、主人公の皆川勤が非常に無口なのが怖かった。交通事故を起こしてしまったという出来事をきっかけに、仕事を捨て、家族を捨て、明確な目標や理念もなく、半ば無意味な活動に精を出すようになってしまう男の狂気を描いた作品である。色々考えさせられるという意味では面白いが、これを観た人がどう感じるのかという点まで考え出すと、あまり高い評価をするのもどうかという感じになる。

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