平和な川辺

 またしても環境調査のアルバイトで旅行中である。今いるのは静岡。大井川の河川敷を移動しながら調査している。

 10月末ということで、ヘビやカエル、それに昆虫といった小動物との出会いはあまり期待していなかったが、本日はヘビを4匹目撃と予想以上であった。ちなみにカエルはヌマガエルと思われる小型個体を1匹、昆虫はバッタがうじゃうじゃと蝶が少し、という感じである。ヘビは一匹だけ写真を撮ることに成功し、その個体は明らかなヤマカガシであった。ただ残り3匹はというと、いずれも草むらや石組みの中に逃げ込まれ頭部を確認することができなかったため、判別することは出来なかった。ただし全て黒っぽい体色でサイズは60~100cm程度だったので、ヤマカガシか黒化型シマヘビの可能性が高いとは思う。

 さて、河川敷の道路を歩いていると、ジョギングしている人、サイクリングしている人、犬と散歩をしている人、などとすれ違う。まぁ大体は高齢者であるが、有給使ってるのか自由人なのか、30歳代のおじさんがロードバイクで走っていたりもする。今回の調査地は初めて来た場所だが、広い河川敷を持つ川沿いでは極一般的な風景と言えるだろう。だが今日はあまり一般的とは思えないものとも出会った。一輪車姉弟である。読んで字のごとく、一輪車に乗った姉と弟(多分)なのだ。年齢はおそらく姉が小学校低学年、弟は未就学児かも知れない、という感じ。この一輪車姉弟、河川敷のサイクリングロードの一定区間を安定した走りで走行し続けており、しかもそれがかなり速いのだ。一度など、ゆるゆる自転車をこいでいた私を軽く抜き去って行った。さらに興味深いことに、この一輪車姉弟には指導者がいた。父親と思われる男性が、常にではないが、自転車に乗って後ろから指示を出しているのだ。平日の午前中に小学生とその父親が河川敷で一輪車の特訓、これはもう相当に気合を入れているとしか思えない。

 気になったので帰ってからインターネットで調べたところ、どうやら大井川河川敷では毎年、全日本一輪車マラソン大会なるものが開催されているらしい。しかも、開催は次の日曜日っぽいのである。どうやら一輪車姉弟はその大会に向けた特訓(というよりは既に「調整」と呼べる域に達しているように見えた)をしていたようだ。

 ちなみに、私は一輪車に乗れない。特に乗りたいとも思わない。

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