カメラの話

 一般にデジタルカメラと言った場合、私は以下の3つに大きく分類されると思う。1)携帯電話やタブレットのカメラ、2)コンパクトデジタルカメラ、3)デジタル一眼レフカメラ、である。「ミラーレス一眼は?」とか「中版は?」とか、更には「レンズスタイルカメラって?」等と言い出すときりがないので、この3つに分類できるものとして話を進める。

 私はこれまで、フィールドで生物の写真を撮るときは、デジタル一眼レフを基本とし、コンパクトデジカメをサブとして使用してきた。しかし最近になって、iPod touchで写真を撮ることもするようになった。既にArt Creatureにも何枚かiPod touchで撮影した画像を掲載している。初めは、コンデジを忘れたけど一眼を出すのは面倒だから、とか、そもそもiPod touchしか持ってなかったから、といったネガティブな理由であったが、最近は「一眼もコンデジも持ってるけどiPod touchで写真を撮ろう」とか「iPod touch持ってるし、コンデジは別に持って行かなくていいか」とまで思うようになった。もちろんこれは状況に依るわけで、暗闇での撮影が主ならフラッシュが格段に勝る単体カメラを選択するし、被写体が素早く動いて逃げてしまうかも知れないのにわざわざiPod touchで撮影しようとするのはチャレンジングなことである。しかしながら、明るい場所での風景写真となれば、携帯電話やタブレットに付属のカメラ共通の「レンズが小さい」、「フラッシュが弱い」といった弱点があまり気にならず、逆に「プレビュー画面が大きくて動作も速い」とか「パノラマ撮影やエフェクトの処理が秀逸」といった利点を生かせるので、単体カメラにも引けを取らなくなってくる。

 何が言いたいのかというと、「携帯電話やタブレット付属のカメラで写真を撮る人を馬鹿にしてはいけない」ということだ。それに「オートモードで撮影する人を馬鹿にするのも間違い」と私は主張したい。確かにカメラあるいは写真というものを理解するのに、一眼レフや高性能コンデジをマニュアルモードで使うのは意味があると思うが、正直言って、細かく設定値を詰めないといい写真が撮れない、という時代は既に終わっている。95点の写真を撮ろうと設定を変えながら撮影している間に生き物に逃げられてしまうのなら、オートモードで80点の写真を撮るほうがずっといい。重たいレンズを持ち歩いて疲れるくらいなら、コンデジ片手にさくさく進む方が生き物とより出会えるかも知れない。

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