最近の私は基本、iPod touchで音楽を再生するのだが、暑くなってきたのでヘッドフォンが辛い。となると、スピーカーから音を出すことになるが、そのときワイヤレスだと楽しいな、と思い、Raspberry Piを使ってAirPlay環境を構築しようと考えた。そのやり方は、OSにRaspbianを使う場合は、
「Raspberry Piを「AirPlay化」して音楽をストリーミングする方法 : ライフハッカー[日本版]」
に書かれている通りやれば問題ない。ちなみに、Raspberry Piで簡単にXBMCを使えるようにしてあるRaspbmcをOSとした場合でも、GUI上からAirPlayレシーバーとしての使用を設定することが出来、インストールや設定のためにコマンドを打つ必要のある箇所も大分減るので、構築としてはRaspbmcを使った方が楽であるし、ディスプレイ上に再生中の曲のアルバムアートを表示させることもできるのだが、動作の軽快さは大分失われる。曲を切り替えたりするときにモタつくとイライラするので、普通にRaspbian上で上記の記事通りにやってAirPlayレシーバとする方がいい(もっとも、AirPlayを使う以上、ラグは発生するが)。
で、このAirPlayレシーバーとしてのRaspberry Piの利用は、4ヶ月ほど前にRaspberry Piを手に入れてから割と早めの段階で成功していたのだが、なかなか実用に至らなかったのには理由がある。Raspberry Piのオンボードサウンドが音質的にダメだからである。そこで新たに本日購入したのが、behringerのU-CONTROL UCA222である。こいつはいわゆるUSBオーディオデバイスというやつで、アナログのIN/OUTに加え、ヘッドフォンOUT、そしてこれが重要なのであるが、OPTICAL OUTPUTも備えている。つまり、USB接続したコンピュータから光デジタルでスピーカーやアンプに音を出力できるというわけだ。それでいて、実売価格が約2400円。安い! しかもLinuxで使用できると来ている!(上記の記事で紹介されているhttp://elinux.org/RPi_VerifiedPeripherals#USB_Sound_Cardsのリストには載っていないが、http://puredata.info/docs/raspberry-piで使えると報告されている)実際にRaspberry Piに繋いでみたが、最初に挙げたライフハッカーの記事に書かれているUSBサウンドの設定どおりにやれば、簡単に音が出た(Ubuntu 10.04 kernel 2.6系でも同様)。ドライバを別途インストールする必要などは無し。lsusbでは
Bus 001 Device 004: ID 08bb:2902 Texas Instruments Japan PCM2902 Audio Codec
と表示されている。UCA222の場合、USBで繋いだデバイスから再生した場合、音声は、光デジタル、ヘッドフォンアウト、アナログアウトの全てに同時に出力される。UCA222についているボリュームスイッチについては、ヘッドフォンアウトにのみ効く。なお、モニターをONにすることで、アナログインから入力した音声をそのまま出力できるが、その場合出力先はヘッドフォンアウトとアナログアウトに限定される(ソフトウェアによるスルー再生でデジタルアウトできるかは調査中)。UCA222の光デジタルからGX-D90へ繋いでの音質には特に問題を感じなかった。ヘッドフォン出力も悪くなく、ホワイトノイズもATH-900Aを繋いだときでボリュームを最大付近にしないと気づかない程度であった。また、再生を続けても本体が熱を持つことは無く、常時運用にも適していると思われる。
とりあえず、Raspberry Piで音声のデジタル出力をさせたい場合には、UCS222はまず検討するに値する機器だと思う。ただ、現在のところalsaからinputデバイスとして認識されていない、などUCA222のLinuxにおける使用にはまだ不明な点が多いので、AirPlayのレシーバーとして運用しつつ、調査を続けたいと思う。というか、この値段と機能から言って、もう2台ほど購入しても良さそうな感じがする。
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