黒い犬

 ブラック・ドックと言えば連想されるのは大型トレーラーだが、今回は自転車の話。もう一週間以上前の話だが、バイト帰りに私は自転車を漕いでいた。アルバイトから帰る時間は毎回22時以降になるので、人通りも多くは無く、暗く寒い東大路通を北上していた。そう、それはちょうどパチンコ屋の前の歩道を走っていた時だ。私は直前で前方に視認できた物体に気付き、慌ててブレーキをかけた。それはガードレールに繋がれた、全体的に真っ黒の中型犬だった。尻尾を地面に付け、おすわりしている。道のど真ん中とは言わないが、端というわけでもない。あやうく尻尾を自転車のタイヤで轢くところであった。ちょうど犬が座っていたのはパチンコ屋の灯りが届かず少し暗くなっている箇所であり、近づかなければ犬であるということはおろか、何かがいることすら分からない状態である。実にあぶなかった。はっきり言って、これで尻尾を轢いてしまったとしても、これは飼い主の責任が大きいと言わざるを得ない。万人が通る道に夜中、黒い物を放置しておいてそれが破損したとなれば、どう考えてもそれは置いた者の責任が大きいだろう。そして犬とはいえ、人間でなければ基本的に物損である。飼い主はパチンコ屋に入っていたのか、近くの別の商店に入っていたのかは分からないが、犬の安全に対しても非常に配慮が足りなかったと思う。

 これを読んでいる皆さんにも、夜中に黒い犬、黒い猫、アマミノクロウサギ、あとクロゴキブリなどを道に放置しておくことが無いよう、気をつけてもらいたい。

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