まっさんの思い出

私が高校で水泳部として活動していた頃、練習中の水飲み禁止というような根性論に基づくルールはとっくに廃れており、部活動中はマネージャーが用意した薄いポカリスエットが水分として提供されていた。この溶液は部内で「まっさん」と呼ばれており、ポカリスエットの粉末を水に溶かす時の割合は、代々のマネージャーに受け継がれていたらしい。私はキャプテンも務めていたが、この割合については知らない。言葉で表現するなら、長時間泳いで疲れた状態で飲むと若干の甘みを感じるが、通常時に飲むと酸味と苦味を感じるだけ、という濃度である。夏場の合宿ともなれば、この「まっさん」を大量に飲むことになるのであるが、ある夏の合宿最終日、練習が終わった後に喉の乾きを感じ、自動販売機で購入したペットボトルのポカリスエットが、異常に甘く感じられたのを今でも覚えている。今の私は大したスポーツもしていない一人暮らしの大学院生であるが、夏場になると飲料の消費が増加するので、このコストを下げるべく、10L用の粉末を買って来て薄いポカリスエットの作成をしてみた。粉末は740gで10L用ということであるが、とりあえず40gをキッチンスケールで量り1.2Lの水に溶かしてみた。約2.2倍の薄さであるが、高校時代に飲んでいた「まっさん」と比べると、まだ濃いような気がする。

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