Blue*をプレイして

 ここ数ヶ月、少しずつ「Blue*」という無料のビジュアルノベルをプレイしていたのだが、それを遂に読み終えた。その感想を書こうと思う。

 ゲームをしばらくプレイしてまず思ったのが、音楽の出来が素晴らしいということ。主題歌とBGMのレベルは商業並みだと思う(ゲームに含まれる曲の数や、一部録音の仕上がりはフル価格のゲームに及ばないが)。そして絵も上手い。立ち絵等で多少歪みを感じる箇所はあるが、全体としては線も彩色もしっかりしているので、見ていて良い意味で「気にならない」。ただ残念なことに、音楽とグラフィック、この2つの出来が良いことが、逆にテキストとシステムのダメさを強調しているように思えてならない*。

※これを書いている私の能力値は上からスクリプト→文章→絵→音楽の順(だと思っている)なので、必然的にシステムと文章の批判を書きたくなってしまうという理由もある。

 まず文章だが、正直、読んでて疲れる。プレイし終えるのに3ヶ月くらいかかったのも、私が連続して長いこと読んでいられなかったからじゃないかと思う。理由としては、無駄な修飾語が多い、日常的に使わない表現を多用している、読みの置き換え(?)*が頻繁に出てくる、など色々挙げることができる。私は基本的に簡潔な表現を好むので、難しい表現を使うのがレベルの高い文章だと思っている人は嫌いである。読み終えて振り返ると全体としてのシナリオは良かったと思うが、中盤くらいを読んでいる時は、このストーリーが一体全体どこで終わるのか検討がつかず、読み手を惹き付けきれていない感があった。ちなみにミステリー要素については、特にミステリーとも思わなかった。幾つか回収されていないフラグと言うか、謎についても自分の中で答えが出ているものがある。もっとも、私が気付いていない「本当のミステリー」がまだ隠れているという可能性も否定は出来ないが。

※例:「そういえば噴水< こんなもの>もあるんだったっけ。」(序盤より)→こういった表現は多用しすぎると読みにくいだけだと思う。しかも画面上ではふりがなが小さくて読みにくい。

 次にシステム。これはとてもユーザーフレンドリーであると言えない。ふりがな読みにくい、デフォルトの文字速度が超速(私が読むの遅いのか?)、など。あとこれはノベル型の宿命でもあるが、立ち絵の差分が表示される度、文字レイヤーが一旦消えて表示されるというステップも、見ていて疲れる。それから、ゲーム自体の立ち上がりが遅いというのも気になったところだ。

 と、色々書いて来たが、結果的に最後まで読み終えることができたということで、この作品はよいものだと思う。が、過度な期待も禁物である。今はとりあえず、サウンドを録音してiPodなどで聴きやすくしようと考えているところだ。

ちなみにゲームの公式サイトは「Namaage Official HomePage」。

 ……書き忘れるところだった。最後にこれ、突っ込みどころなのか分からないのだが、1989年舞台の背景に、なんで1998年発売のiMacG3があるんだよ!!

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