早速ユーザー辞書に「普通名詞」で登録しておいたぜ!
んで、何を書こうとしてコンピュータに「貧乳」などと入力しようとしたのか、という話であるのだが、それを今からじっくりしたいと思う。二次元世界に限らず、女性の胸が大きい方が好みなのか、それとも小さい方がいいのか、いやいや大きさではなく形が大事なのだ、おいおいそうじゃねぇ重要なのは感……(略)、とまぁそういった類いの議論は後を絶たないわけで、男ならそれぞれ主義主張を持っていることと思う。私も以前は「胸なんか邪魔だ」と公言していたし、好きだ好きだと言っているキャラクターも大方が胸の小さく描かれた方々であった。だから自分は貧乳派なのだと思っていた。しかし最近、貧乳キャラにも2種類あってそのうち1種類は自分の中で巨乳にも劣る存在であるのではないか、という思考に至った。その2種類の分類というのはずばり、「自分の体型を気にしているか否か」ということである。
ここで話を分かりやすくするために現在一般に観られる作品中のキャラ展開についてまず説明したい。アニメだと分かりにくいものもあるが、恋愛アドベンチャーゲームの世界だとヒロインは3~5人、あるいはもっといるのが普通である。そういう場合、制作者はその複数いるキャラ中でvariationを持たせることによりpreferenceの異なる幅広いユーザーをターゲットとできるよう、behaviorの異なるキャラを配置するのが常である。具体的に言えば、体型や性格それに髪型、その他属性(妹、メイド、メガネ、など)の異なるキャラクターを用意するということである。勿論、世の中にはヒロイン全員が巨乳メガネ女教師などというnicheな製品もあるわけだが、人気の高いフル価格(定価8000円以上?)のゲームなら大抵は前述のようなvariationでキャラ展開をしていると考えていいだろう。さてさて、そうやってキャラの持つ属性に種類を揃えれば、巨乳派も貧乳派も妹フェチもメイド萌もユーザーにとりこめるぜ万歳万歳!となるはずなのであるが、しかしてここで別の問題が生じることも忘れてはいけない。それは何か、そう!攻略対象のヒロインは複数用意できるが、主人公は1人である(例外もある)ということだ。さてさて困った、人が人を好きになる理由は外見だけではないし、恋仲となるには2人を結びつける共通の体験が一番重要ではあるが、かといってmorphologyも完全に無視するというわけにはいかないわけだ。よって、個別ルートに入る前に主人公が巨乳好きを窺わせる発言をしちゃってたりすると、貧乳キャラのルートを選択すると色々と問題が生じてくることになりはしまいか。恋愛アドベンチャーゲームだと主人公は複数のヒロイン候補と親密になっているパターンが多いし、矢印も全部主人公向きになってたりするから、選ばれたヒロインからすれば主人公を勝ち取らなくてはいけないという意識がある。だから自分のmorphologyは主人公の好みに適合しているのか、他のヒロインに比べて劣ってはいないのか、どうにも気になる、というのは現実世界でもおそらく一般的な思考パターンだろう。その結果、シナリオライターはこういう台詞をひんぬーなキャラクターに言わせることになる。
「でも私、◯○みたいに胸大きく無いし……」
「だって、××って胸の大きい子が好きなんでしょ?」
出た!これが「胸が無いことを気にする貧乳キャラの図」である。まぁこれに対して主人公は、「いや、△△の可愛らしい胸も俺は好きだよ」だとか「俺が揉んで大きくしてやるぜ」だとか、適当なことをぬかしてヒロインを丸め込み、手にかけるのであるが……あぁくそっ!死ねっ!死ねっ!恋アドの主人公!てめぇ序盤で巨乳が好きだって言ってたろ!だから△△はお前にはやらんぞおらぁ!!……いや嘘です、そんな心が荒んだことは思ってませんよ、はい。で、話を戻すと、このような台詞のやり取りがアニメの世界でもゲームの世界でも氾濫している、という状況については多くの人が同意してくれることだろうと思う。これはやはり、テンプレート的なキャラ配置でストライクゾーンを広げようとした結果の産物であることは明白である。ツルペタ妹に巨乳先輩、間を取ったくらいの同級生、というこれまで何度も見て来た組み合わせだ。そして、先述のような台詞のやりとりも、同じくらい何度も目にする結果となる。そして、
その結果、私は胸が無いことを気にする貧乳キャラに対する好意が薄れてしまった
要するに、もううんざりなのである。そして私は気付いた。キャラクターを(少なくとも私にとって)魅力的に見せる要素に、そのキャラクターが持つ自尊心が大きなウエイトを占めるのだと。もちろん、その道に精通している者達であれば当然承知のことと思うが、大きい胸にコンプレックスを抱くパターンというのも存在する。しかし少なくとも二次元世界においては、胸が無いことを気にする貧乳キャラに比べ、胸が大きいことを気にする巨乳キャラの割合の方が少ないはずだ。見よ!月海の、著莪あやめの、原村のどかの持つ自信の大きさを!(※諸事情によりキャラの選別はアニメ化作品からのみとしました)いずれも闘う女の子であるが、彼女らが持つ自信たるや湧き出る泉のごとくとどまることを知らない様相である。無論その自信の源は自身の体型のみにあらず、身に付けた能力も含まれているのであるが、やはり巨乳キャラから湧き出る自尊心のオーラというものは一般的な傾向として確かに存在すると言っていいのではないかと思う。
ところで、そもそも私が貧乳好きを意識するに至った貧乳キャラとは一体誰であっただろか。初期3大キャラは、木下さくら、フェイト(A’s時代)、長門さん、であるが、彼女らは一度でも胸が無いことを気にした様な素振りを見せただろうか。否!そんな場面は無かったと記憶している。胸ばかりにあらず、体型を気にしていたことなど一度も無い(間違ってたらごめんなさい)。もっとも、長門さん以外は設定年齢が低いということもあり、気にならなかったのかもしれないが。
というわけでこの話の結論。最近の貧乳キャラは意識してvariationの一部として用意されたものが多く、それ故に(私から見て)魅力を失っている。そのため、私の中での評価順序は以下のようになる。
[胸が無いことなんか気にしない娘] > [自信に溢れた巨乳] >>> [胸が無いことを気にする娘]
要するに、胸が大きいか小さいかなんてあまり重要で無いのだ。大事なのは顔や体型などという自分じゃ変えるのが難しい要素にコンプレックスを抱いたりしないで、自分が出来ることに自信を抱いているかどうかということなのだ。現実の人物でも、これは性別も年齢も関係ないが、そういうポジティブで自己評価をしっかり出来る人間には好感が持てる。ただまぁ……どちらかと言えば胸が小さい方が好みである、ということに変更は今のところないんだけど。
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