うーん、結局のところ…

 次の絵に使うべく、昆虫網とデジタル一眼レフカメラの3Dモデルを作り、昨年作ったMacBookのモデルまで引張りだしてマテリアルを調整したのですが、いざ組み合わせてみたら全くもって上手くまとまらないことが分かりました。そもそもの予定では絵の人物が首から一眼レフ吊るしてる感じにしようと思っていたのですが、人物の後ろに位置する捕虫網も結構違和感あるのに、デジカメの方は人物より前面に位置するためよけい違和感が拭えないのです。まぁこういう最初に自分が描いたイメージとの食い違いが出て直せないのは私の3DCG作成技術が足りない所為であります。
 というわけで、実際の絵では昆虫網以外は直接人物に持たせたりするのではなく、背景の一部として使うことになると思います。透明度上げてうすーく表示するとかすればごまかせると思いますのでね。
 とりあえず今回の絵の目的は、学祭で勝手に開く生物画個展の中でこれまで描いてきたクワガタとかカエルとかの絵と一緒に展示する用です。コンセプトとしては「人工物で自然を楽しむ」。絵の中に生き物は入れず(女の子は当然描いてますが)、金属とかプラスチックとかバリバリの人工物ばかりを絵の中に並べて、個展に関するごちゃごちゃしたテキストと組み合わせる予定です。

 あとこれは製作フローに大きく影響を与えることなのですが、今回の制作作業中に2DCGについて制作途中のファイルを全てクライアント機からサーバーの方に移しました。つまりは実際に絵を描いたりする作業をしているマシン(コンピュータ)のHDDにデータは無くて、全てサーバーにあるファイルを読み込んで作業するという形式です。私は1つの絵を作成するのにも複数台のコンピュータを使っていて、例えば紙に描いたものをスキャンするのにはメーカー製ドライバがあるMacOSXが入ったMacBookを使い、3DCGにはディスプレイを1つ繋いだLinux搭載マシン、2DCGにはデュアルディスプレイになってるLinux機、などと使い分けています。今使っているサーバーが無かった時代にはMacBook上でファイル共有を展開し、MacBookに全てのデータをコピーした上で、ファイルのやり取りに利用していました(つまりはMacBookをsambaサーバーにしていたわけです)。最近はそれを各コンピュータからサーバー機のBackupフォルダにrsyncを使って作業内容をバックアップすることでファイルのやり取りをサーバー上で行えるようしていたのですが、それならもっとシンプルにサーバ上に編集するファイルを直接置いてしまえばいいじゃなイカ!ということでそうしてみました。
 ただなかなかこれをやらなかったのにも訳がありまして、それは製作段階のファイルに直接パスを使ったデータリンクがある、ということなのですが、これが少々厄介です。例えばInkscapeのSVGファイル。0.48からはビットマップ画像をインポートするときに画像を埋め込むかどうかアプリケーションが尋ねてくるようになりましたが、0.47まではそうではありません。SVGファイルの場合、画像をインポートしても直接埋め込まなければそれは単なるリンクであって、SVGファイル内にそのビットマップ画像のデータはないので、プロジェクトフォルダの場所を移動したりすると、直接パスでリンクされているそれらの画像がInkscape上で参照できなくなるんですね。Blenderで使う.blendファイルとテクスチャ画像の関係も似たようなものです。もちろん、もう一度インポートして読み込めば問題ありません。ただそれを直すのは面倒なんですね。
 しかし今回思い切って作業したことで楽になることもあります。例えばクライアント機の入れ替えや再インストールなどをする際、データを移行する必要が無くなります。必要なアプリケーションをインストールしてサーバーにアクセスできるようにしてしまえば作業は出来るのです。またクライアント機にSSDを導入することも検討できます。SSDはHDDに比べて圧倒的に高価で、2TBのHDDが一般化してきたこの時代に40GBとか80GBとかのものが販売されているのですが、/home/user内のデータが少なくなることで、こういうものをクライアント機のシステムインストールドライブに用いる選択肢ができるわけです。あとサーバー内でrsyncによるバックアップスクリプトを動かしているので、バックアップも楽になりました。いちいちrsyncでクライアント機から変更したファイルをサーバーに送る必要がないのです。
 そういうわけなので、今後3DCGも折りをみてサーバーにファイルを移動させていきたいと思います。しばらくは面倒なこともあるか知れませんが、長い目で見ればきっといい変更だと思います。今の時代はクラウドだクラウドだと言われていますが、私はあくまで自宅でクラウド化の道を押し進めますよ。私が組んでいるシステムならたとえWANから切り離されてもちゃんとグラフィック製作作業は行えます。そういうふうにできています。

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