母の思い込み

私の母親は比較的優れた思考力を持ってはいるが、私が何度言っても変えようとしない思い込みが2つある。

1つ目は、「商店の棚に並んでいる商品のうち、在庫数が少ない商品ほど人気がある」というもので、これは一緒に買い物に行くと頻繁に口にする。例えば同じメーカーの同じシリーズで、味付けが異なる2種のお菓子があったとした場合、我々が買い物で訪れた時点で棚に置かれた数が少ない方は、既に売れた分減っているので人気がある商品なのだ、という理屈である。これは、開店時の在庫数が同じで、閉店まで商品の補充を一切しない、という条件があれば成立するが、開店中も商品の補充が行われていることは、コンビニでもスーパーでも観察できるので、必ずしも母の理屈は成立しない。ちなみに母親は在庫数が少ない(=母の理屈では「人気がある」)商品を買おうとする。

2つ目は「果汁100%と書いてあっても、濃縮還元のジュースには砂糖が入っている」というもので、確かに加糖のものも存在するにはするが、私の経験からすると少数派である (加糖のものには表示義務がある)。安い濃縮還元の100%ジュースには、濃縮の過程で失われた風味を補うために「香料」が含まれていることはよくあるが。とは言え、母がこの思い込みを持っているおかげで、実家に帰ると大抵、冷蔵庫にストレート果汁のジュースが入っている。私は濃縮還元が必ずしもストレートに劣るとは考えていないが、普段はなかなか飲めないストレートジュースは嬉しい。

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