茶番を見ていて気持ちが悪い

 連日のイスラム国人質事件の報道を見ていると気分が悪くなる。

「さして重要人物でもない人質2人のために2億ドルなんて無理。72時間ってのも短すぎ。でもイスラム国を名乗る組織がこの条件飲まなきゃ殺すって言ってるんだから殺すでしょ。だからもう諦めようぜ」

と、私だったら思う。政府とか報道の人も半数以上はそう思っていると思う。それなのに少なくとも私の見ている報道番組では全くそういうことを言わない。言えない。殺すって言ったけど期限を過ぎても殺していないかもしれない。交渉すればどうにかなるかもしれない、という期待を視聴者に抱かせている。大人数を動員しての茶番である。

 一方、イスラム国を名乗るグループの行動は賞賛に値する。期限を過ぎた後に2人のうち1人を殺害したと発表したのは、交渉の余地を残しつつ優位性を保つという意味で非常に良い。2人ともを生かしておけば、殺す気が無いんじゃないかという印象を与え、交渉で不利になる。2人とも殺してしまっては、自分たちの要求を達成できなくなる。なんと合理的なのだろう。

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