ちょいと前のNFにて京都大学漫画研究部が発行する風車小屋七十五号と風車小屋七十六号を購入した。目を通した感想をちょろっと記す。
七十五号で面白いと思ったのは、佐武原幸 作の「絵空事独り世界を泳ぐ」である。28ページという一般的な商業誌の読切作品と同じくらいのスペースをしっかり使い切って物語の世界を構築していると思った。主人公は学校、家、そして姉の部屋、と異なる場面でそれぞれ異なる顔を見せている。その切り替わりの描写に感銘を受けた。謎が残るSF設定、すっきりしない終わり方、なども適度で好みである。
七十六号の方では、奈良阪某 作の「俺の幼馴染がメガネでアンドロイドで宇宙人でメガネなんだけど……」が良かった。たまにベタ塗りがあるだけで基本は等幅線だけという作画ながら、人物の表情が豊かでなおかつ自然である。そして何より漫画として面白い。読んでない人に私のレビューで面白さを伝えることなどできるはずないが、最初に読んだときは声に出して笑ってしまった。ヨーコちゃんとか最高である。
以上。風車小屋七十五号と風車小屋七十六号はそれぞれ表紙を入れて156頁と164頁あるが、装丁もしっかりしていて販売価格からすると赤字としか思えない。
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