続・台湾茶の話

2週間ほど前、「台湾茶の話」という記事で、台湾で買ってきたお茶のパッケージに書かれていた淹れ方の説明文が、英語と日本語で違っている、という話を書いた。その続き。

 中国語の説明文を誰かに読んでもらうまでもなく、実際にこの台湾茶(烏龍茶だと思う)にお湯を注いでみると、1分では十分に抽出されず3分程でちょうどいい感じになることから、英語の記述が正しいのではないか、という予測が立った。しかし、折角身近に中国人がいるのであるから、きちんと中国語の記述も確かめるのが良いだろうと考え、同じ研究室に在籍している中国人留学生の方に、パッケージの説明文を読んでもらった。この留学生の方は日本語と英語もペラペラ、おまけにとても感じの良い方で、このようなしょうもないことを尋ねるにはうってつけの人材である。

 ところが、事情を(日本語で)説明しパッケージに目を通してもらったところ、彼女の第一声は、

「何分とか書いてないよ」

であった。なんと、中国語の説明文には、蒸らし時間が何分かは書いていなかったのだ!

 その方の説明によれば、中国ではお茶を飲む場合、蒸らし時間など気にしない、とのこと。話を聞くかぎり、煮出し麦茶の感覚に近いと思われる。もちろん、お茶の種類はたくさんあるし、お茶の淹れ方も人それぞれだろう。ただ、実際その中国人留学生の方が飲んでいるお茶は、実家から持ってきた中国茶(緑茶だと思う)なのだが、飲み口付近にフィルタがついた専用のボトルに茶葉を入れ、お湯をそそいだら飲み終わるまではそのまま、というスタイルで飲んでいる。つまり、茶葉がずっと浸ったまま飲んでいくのである。

 以上のことを考慮すると、私が台湾で購入してきたお茶のパッケージに書かれた説明文が、中国語、英語、日本語でそれぞれ異なるのは、翻訳のミスではない可能性が高いと考えられる。おそらくは、

中国語の説明を読む人 → 中国茶を飲む文化がある人たち。それぞれ飲むスタイルがあるだろうから、詳しく書く必要無し。

英語の説明を読む人 → 紅茶を飲む習慣のある人が多い。紅茶の蒸らし時間は3~5分くらい。3分って書いとこ。

日本語の説明を読む人 → 煎茶を飲む習慣のある人が多い。煎茶の蒸らし時間は20~60秒ほど。1分って書いとこ。

ってな感じじゃないかと思う。日本語は基本的に日本人しか使わないが、英語で英語圏(というか、日本語と中国語を解さない人全て)の人々の好みを決めてしまうのは少し無理があるようにも思う。

 「というわけで、お湯の温度や蒸らし時間は、色々試してみて、一番美味しいと感じる淹れ方を見つけてくださいね♪」

……無理やり綺麗な感じでまとめてみる。

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