またまた生態学会にまつわる話。
大会4日目には、高校生によるポスター発表があった。この高校生ポスター発表、なかなかよい。何がよいかと言うと、発表者の対応がよい。今私は学部4回生なので、研究室では一番の下っ端に該当する。だから他の学生に対しても基本的に教えを請う立場である。それに当たり前だが、大学では周りが全員同じ大学の学生なのだから、所属大学のネームバリューなど意味が無い。ところが、高校生相手となると話は別だ。少なくとも4,5年は年上だし、一応大学で身につけたスキルで専門分野ならまず勝るから、ちゃんとした質問や助言をすることが可能である。自分が小さい人間であることに正直がっかりだが、人間というのはちょっと優位な立場につくと楽しくなってしまうものだ。どの高校生も(私の勘違いかもしれないが)敬意のこもった感じで、私に質問や指摘がないか尋ねてくれる。そのため、当日はポスター発表を見ていた時間のうち半分以上を高校生のポスターを見るのに使ってしまった。
今回の生態学会における高校生のポスター発表リストは以下のページで参照できる。
ESJ59 ポスター発表 セッション内一覧 (P3)
私が見て説明をしてもらった中では、「カワニナを通して考える地域の生態系」(岐阜県立岐山高等学校)が面白かった。新規性があるのかとかは分からないが、やっている内容的には学部の卒論としても十分いけるんじゃないかと思った。しかもこの発表者は、ちゃんと研究した後に実際の生態系管理に結びつける行動をしている。研究の対象として扱って生理生態を調べても、その後研究しっぱなしで実際の保護や保全にはあまり力を入れない場合というのが一般の研究でもよくあるが、そうではないところがよい姿勢だと思った。
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