昨日、今日と、今年の夏に台湾で採ってきた虫の標本整理を夜中にしていた。訳あって台湾に行った話は詳しく書けないのだが、ゴキブリはもちろん、甲虫類もそれなりに採取してきている。ゴキブリは帰ってきてから割と早い段階できちんと整理して標本化したのだが、甲虫は忙しさにかまけて完全にエタ漬けで放置していた。しかしこれではマズいだろうと、せっかく採ってきたのだから学園祭の展示に出そうじゃないかと、慌てて作業を開始したというところなのである。
私の場合、ゴキブリは液浸にするので、ガラスの小ビン(これが結構高い)に分けて入れ、あとはエタノールを注げばハイ、完成なのであるが、甲虫の場合はそれなりに手間がいる。まず、エタ漬け状態で死後硬直したのを柔らかくしなければならない。専用の薬品も売られているが、持っていないのでひたすらお湯に漬ける。お湯に漬ける。お湯に漬ける。……全然柔らかくならねぇ!特にクワガタとカブトムシ、こいつらはなかなか関節が曲げられない。脚や顎が折れたらオシマイだから慎重に力を加えるが、これが難しい。特に大型のオニツヤクワガタ、こいつは結局まだ柔らかくならないので、諦めてぬるま湯につけて放置してきたとこである。そして次、展足であるが、私はイイ加減である。自分で言うのもなんだが手先は器用な方だと思うし、綺麗に仕上げられたらきっといい気分だと思うのだが、残念ながらそこまでの時間がない。あるいは、短い時間で仕上げる技術がない。
ところで、この採ってきた甲虫類、特にクワガタやカブトムシについてであるが、いい時期に採ってきたようで、爪や顎の先端が非常に鋭利である。つまり、羽化後あまり経っていない個体が多い。スレているのがいいという虫屋も中にはいるのだが、私は断然、新成虫の方がいいと思っている。だがその分、新成虫というのは扱うとき注意が必要で、特に足の爪は危険である。やつらは野外において垂直に立っている樹木にしがみついてる訳で、しかもその上で闘争を繰り広げようというのだから、そりゃもう当然足の爪は鋭利で樹皮にがっちり刺さるようにできている。展足のために足を指でつまんだりすると、簡単に皮に爪が食い込む。まぁ釣り針と違ってカエシが付いていないので、簡単に抜けるっちゃ抜けるが。
というわけで何が書きたかったのかよく分からない文章になってしまったが、甲虫の標本作りに関する話でした。ちなみに、ホントは展足したあと一ヶ月とかそれ以上の期間、乾燥させる必要があるのだが、前述のように時間が無いので、40度の乾燥機にしばらく入れておいて、すぐに昆虫針で標本箱にブスッと刺した。
Post a Comment