携帯電話が壊れた話_2 (あるいは、状況証拠の罠)

 ドコモショップで順番が来ると、まずは本当に機器が故障しているかの確認が行われた。店員さんが持っている端末から、私の使っている端末にかけてみて、通話が行えるかどうかを確かめるというごくシンプルな方法である。前回書いたように、私は2人と通話を試みて、いずれの場合も相手の声が聞こえない、という症状から自らの端末の不具合を感じたわけである。ドコモショップに持ち込むに至る経緯としては十分だと思うが、100%ではない。たまたま、私が通話しようとした2人が2人とも、マイクの壊れた携帯電話を使用していた可能性もあるっちゃある。

 「あれ?聴こえますよ?」

 と、チェックを行っていた店員さんが不思議そうに言った。「えっ?マジで?」私も自分の端末を受け取って耳に当ててみるが、なるほど確かに通話できている。「あーやべ、壊れてない携帯を壊れたって言って持ち込むとか、私って迷惑な客になってないか?」と軽く焦る。が、店員さんは慣れた様子で、「もう一度やってみますね」と再度かけ直してみてくれた。すると今度は、

 「あっ、聴こえないですね……」

 どうやら、症状は100%生じるわけではないらしい。内部のスピーカーに関わる回路が接触不良になっているのだろうか。良く分からないが、ちゃんと壊れていたことに少し安堵する自分がいた。そりゃまぁ不具合が無いに越したことは無いが、自分で使っているときに生じた不具合が、ドコモショップに持ち込んだら再現されない、という状況は悲し過ぎる。

 「となると、こちらから御提案させていただきたいのは……」

 故障の確認がとれたところで、実際にどうするかという話に移る。店員さんが提示した案は、

1. 現在使っている端末を修理に出す
2. この際、新しい機種にする
3. 通話が不安定な状態で、そのまま使い続ける
4. ケータイ補償サービスを使って、端末を交換する

の4つであった。まぁ他にも、

5. 解約する(あるいは他社に乗り換え)

という選択肢があるような気はするが、それは流石にドコモショップの店員さんが言うはず無いだろうと思う。ちなみに、この5つの中で、新たな金がかからないのは、3と5のみである。1.は約15000円、2.だと3万円ぐらいから、4.でも5000円かかると言われた(ケータイ補償サービスは、最初に契約した時から入っている)。

続く……

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