Paratrichius duplicatus

 食材性ゴキブリを採取していると、甲虫の幼虫が出てくることが多い。クワガタとかゴミムシダマシとか色々。んで昨日クワガタを飼育している押し入れの中を見たら、見たことない虫が死んでいた。10mmちょいくらいの体長で、背側にも腹側にも派手な模様のあるコガネムシだった。この派手な模様を頼りに図鑑で調べると、オオシマオオトラフコガネであろうと分かった。こいつは分布が奄美諸島・沖縄諸島となっている(保育社の原色日本昆虫図鑑IIより)。オオトラフコガネというよく似た種は本州・四国・九州に生息しているようだ(同上)が、羽根の模様が微妙に違うのでオオシマオオトラフコガネの方だと区別できる。それで、「あぁ、こいつは徳之島で採った、よく分からない幼虫から羽化した奴だ」と分かった。去年徳之島に行った時、リュウキュウクチキゴキブリを採取する過程で材から出てきてしまった幼虫の一部をフィルムケースに入れて持ち帰り、クワガタの幼虫を飼育する発酵マットに突っ込んで放置していたのである。羽化していたものの完全に放置していたから自力でビンから脱出し、そこで力尽きたのであろう。しかしまぁよくあんな運搬と飼育を経て成虫になることができたなぁと、昆虫の生命力には驚かされる。

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