先ほどの投稿「Ubuntu 10.04 LTSでQuadro 600を使う」でUbuntu 10.04 LTSにQuadro 600のドライバを入れて普通に使えるようにするまでをやりました。この状態でGTS 250を使っていたときに設定してたcompizによる視覚効果もちゃんと動くし、ブラウジングなんかをする分には特にもっさりした感じというのもありません。しかしわざわざQuadroなんてものを購入しているのですから、本格的にOpenGLを使うアプリケーションを試してみなければなりません。
まずはBlender 2.49b、このQuadro 600を装着したマシンでもっともよく使うアプリケーションです。Blenderはご存知の通り3Dのモデリングからアニメーションレンダリング、コンポジットまで可能な統合環境なんですが、3Dのメッシュモデリングをする際には、FSAA(フルスクリーンアンチエイリアシング)という機能があるとモデリング画面でのメッシュがジャギー無く綺麗に表示されていい感じなんですね。このFSAAがGeForceの200シリーズまでは16xまで可能でした。それがGeForceの400シリーズでは32x、さらにQuadroの新シリーズでは64xまで可能という触れ込みです。しかしながら、nvidia-settingsでアンチエイリアシングの設定項目を見てまず困惑。なぜか32xまでしか設定できません…。しかも32x設定でblenderを立ち上げ、過去に作ったものなどを開いてみると、動作が重い重い…(以前はGTS 250でFSAAを16xに設定で作業)。とても使用に耐えるものではありません。確かにジャギーはなくなめらかな線の表示ができていますが、マウスのスクロールボタンによる拡大縮小や3ボタンを押したままグリグリとドラッグしての視点変更などをしようとすると、反応が非常に遅いです。入力を受け付けなくなってOS自体を強制終了させなければならない事態にも複数回陥りました。アンチエイリアシングの設定を16xにしてやると普通に(感覚的にはGTS 250よりも速く)動くので、この32xに設定していることが直接の原因だと判断して間違いなさそうです。
よって結論。Quadro 600をUbuntu 10.04 LTS AMD64のマシンにインストールしても、少なくとも260.19.44のドライバでBlenderを動かす分には64xのFSAAはおろか、32xすら実用に耐える動作をしない。しかし16xなら軽快な動作が可能。
そんなわけで、今のところGTS 250から格段にレベルアップした動作を期待することはできません。おまけにUbuntu 10.04 LTSでは自動的にドライバをインストールすることもできません(10.10やもうすぐリリースされる11.04でどうなるのかは時間があれば確かめたいと思います。)。だから2万円以上払ってQuadro 600を買いLinuxマシンに搭載しようとしている人がいたら、私は止めたいと思います。多分GeForceの200シリーズや400シリーズのミドルレンジを買った方がいい。しかしQuadro 600は消費電力が格段に低いし、静音性も高いです。その点は高評価。アンチエイリアシングの設定を16xにしておけばBlenderでも問題なく使えるし、単に費用対効果を感じられるほどのものではないというだけ。買ってしまった私としては、ドライバのアップデートを待つしかありませんね。
※追記(2012/10/20):304.60のドライバで確認したところ、64xの設定が出来るようになっていました。が、やはりQuadro 600では64xのアンチエイリアシングをかけた状態でBlenderは使えません。32xもやっぱ無理です。使用に耐えるのは16x(8xMS, 8xCS)まで。なんか最近はCUDA使ってレンダリングとか出来るらしいので、やっぱ値段的にもGeForce買った方がいいのかも。
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