「風と共に去りぬ」という映画を観た。原題はそのまま、Gone With the Windである。NHK BSプレミアムで放送されたものを録画して観たのであるが、録画予約するとき、番組情報に製作が1939年とあったので、てっきり白黒映画だと思っていた。だって、1953年製作の「ローマの休日」が白黒だから。ところが、この作品はカラーであった。Wikipediaによれば、テクニカラー方式を採用したごく初期の作品であるらしい。
あらすじとか全く知らないが、有名なタイトルだよね、というだけの知識で、私がこの「風と共に去りぬ」という題から連想したのは、なんかこう西部劇的なやつだった。しかし実際には、(南部を舞台とする)南北戦争がテーマの”叙事詩的”(Wikipediaより)な作品であった。まぁあらすじとかはそれこそWikipediaを読めば分かるのでここでは書かないが、感想としてはとにかく主人公のスカーレットがむかつく女だった。彼女は3人目の夫であるバトラーから「猫の方がお前より情愛を持っている」みたいなことを言われるシーンがあるのだが、まさにその通りである。ってか、なんでそこまでアシュリーが好きなんだよ! 「あの人(アシュリー)は私のことを愛しているに違いない」、(アシュリーはメラニーと結婚したのに)「彼はメラニーより私のことを愛しているに決まってる」と自分勝手な妄想で突っ走り、周囲の人間に散々迷惑をかけるのだ。あと、とにかく常識が無く、金に汚い。行動力や立ち直りの早さなど評価できる点もあるが、間違っても私が好きになるタイプではない。知り合いに似たような感じの思考・行動パターンを持つ女性がいるので、その人には是非この映画を観るよう勧めたいと思う。
「風と共に去りぬ」は4時間近く(222 min)という「タイタニック」(194 min)よりも長い作品であるが、私が笑ったのは、物語中盤、スカーレットの父親であるジェラルド・オハラが死ぬ場面、その一ヶ所だけであった。ただ、この場面の傑作度合いは最高で、これほどまで唐突に、しかも下らない死に方は久しぶりに観た。2004年公開の「ドッジボール」でも同じような場面がある。
あと最後に、劇中で頻繁に用いられる単語、”Yankee(s)”について。日本語でヤンキーと言えば、髪の毛染めて改造バイクを乗り回し深夜のコンビにでたむろする人種を指し、複数形のヤンキースと言えばメジャー・リーグの球団名であるが、yankeeの意味 – 英和辞典 Weblio辞書(研究社 新英和中辞典)を見ると、この単語の意味としては、
a 《主に米国で用いられる》 ニューイングランド人.
b 《米南部》 米国北部諸州の人.
c 《主に米国で用いられる》 米国北軍の兵士 《南北戦争当時のニックネーム》.
d 《主に英国で用いられる》 米国人 《★米国外では一般にアメリカ人の俗称》.
であるらしい。もちろん、この映画における用法はcである。BSプレミアムで放送されたものは日本語字幕であったので、多少は英語を使う人間として耳から入る英語の表現と日本語文章をできるだけ対応させながら観ていたのであるが、この”yankee”の意味が分からないと混乱する。
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