キム兄が怖くていい味出してるよ

 「西の魔女が死んだ」という邦画を観た。私が最初にこの作品(原作は小説)に触れたのは、深夜ラジオのラジオドラマだったように記憶している。当時私は中学生で、少ない小遣いで買ったラジオを、布団の中に潜って耳に当てながら聞いていたものだ。ラジオの視聴歴もまだ浅かったが、「西の魔女が死んだ」の朗読劇にはとても心を打たれた。その後、中学の時だったか高校に進学した後かは覚えていないが、原作小説も読んだはずである。現在手元に本が無いので、図書館で借りて読んだのだろう。そういう馴染み深い作品だったので、今回、普段あまり観ない邦画を鑑賞したわけだ。

 映画は原作に忠実だったと思う。もっとも、原作をあまり覚えていないので「うんうん、こういう感じだった」という程度なのだが。とにかく、ストーリーから受けた印象は、過去にラジオドラマを聴いて感じたものと近かった。ただ、映画としてはあまり感心しない点もあった。特に、準主役である、まい(高橋真悠)の演技が安定していないのは気になる。「あ、割といいな」と思うシーンもあれば、「表情おかしくね?」と思うシーンもあったのだ。

 その他、内容について。「霊魂は不滅だ」という考え方は私としては受け入れられないが、それ以外の大部分はとても道徳的でよかった。他人を疑って怒りを覚えるより、心の平安を大事にするという教えを多くの人が当てはめていれば、現代における多くの争い事は解決するだろう。そしてなにより、この作品では「生きる」力を身につけていく少女の姿が描かれていて、それが良い。

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