タイワンサソリモドキの餌

 知人が八重山よりタイワンサソリモドキを採取してきてくれたので、飼育を開始した。以前自ら捕まえた個体を飼おうとしたこともあったのだが、ごく小さな個体だったこともあってかすぐ死んでしまった。餌にはカツオブシを与えていたが、それを食べる姿も確認できず終いだったのである。

 今回もらった個体はわりと大型で、餌の融通もききそうである。試しに、私が研究室で飼育しているオオゴキブリの幼虫を与えてみた。与えたのは実験に使っていない、6~7齢と思われる中型の幼虫である。後脚をピンセットで掴み、サソリモドキの正面でブラブラさせてみた。すると、しばらく威嚇のポーズをとった後、「ガッ!」とオオゴキブリを貫通する勢いで挟みこみ、食べ始めた。オオゴキブリは普通のゴキブリよりは固い体を持っているのであるが、簡単に穴を開けられ、ムシャムシャと食べられてしまった。人間でもアレに挟まれたら血が出るくらいはするかもしれない。

 他のサイトを見てみると、コオロギやデュピア、あとはダンゴムシやミルワームなどを餌として使っている人が多いようである。これから寒くなってくるので野外で餌を調達するのは難しくなりそうだが、とりあえずオオゴキブリは餌になると分かったので、ミルワームなどと併用しながらサソリモドキの餌にしようかと思う。

 なお、タイサンサソリモドキが生息する八重山には、オオゴキブリの亜種であるヤエヤマオオゴキブリや、同科のタイワンクチキゴキブリが生息している。これらの種は基本的に朽木の中に穿孔しているが、出てきて移動することもあるので、もしかしたら本来の生息地でもこれらの種を餌にしている可能性はある(今回飼育下で与えたオオゴキブリは国内においてサソリモドキ類と生息地が被らない)。

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