大学での実験を終えて下宿に戻ったのが夜中の3時頃。眠くなるまで本でも読むか、と読みかけだった本をひも解いて、気づいたら読み終えて朝の7時だった。その後、13時からのバイトにもちゃんと間に合ったので問題ないが、読書で徹夜してしまうのも久しぶりである。んで、その本というのは、知り合いから借りた、「犬は勘定に入れません あるいは、消えたヴィクトリ朝花瓶の謎」(コニー・ウィリス 著, 大森望 訳)の文庫版。上下2巻、合計950頁ほどの長編である。少しずつ、それも不定期に読んでいたため、一体いつこの本を借りたのか忘れてしまったくらいである。
私はこの作品を、ミステリーだと思って読み始めた。が、読み進めてみると、ミステリーと言うよりはSFであり、コメディーである。もちろん、ミステリーっぽい要素も無いわけではないが。内容は、決して読みやすく理解しやすいものではない。これは訳が悪いとかそういうケチを付けているのではなく、舞台や設定の都合上仕方ないと思う。まず、時間旅行の複雑な設定を理解しようとすると時間がかかる(読み流すなら問題ない)。次に、ヴィクトリア朝時代もしくはそれ以前の文献から引用したことを喋りまくる登場人物が複数いる(訳注で引用元が分かる)ため、その手の小難しい言い回しとかをしっかり追おうとすると、スムーズには読めない(読み流すなら問題ない)。私が分かる引用というのは、シェイクスピア(の有名なやつ)か聖書くらいである。あとは、そもそも私がアルファベットの名前に弱いというのもある。人の名前にしろ地名にしろ、アルファベットのものは音のリズムというよりも文字の視覚的印象で覚えて読んでいることが多いので、複雑な人物関係になると、途中で「あれ? こいつ誰だっけ?」となるのである(ただし、これも読み流すなら問題ない)。
読み終えた感想としては、まぁ面白かったかな、という感じ。世界史や地理にめっぽう弱い私にとっては、教養の勉強としてもよかったと思う。が、先に書いたようにやはりすらすらと読めるものではなく、文量も多いので、読みきるには多少の辛抱強さも求められる。
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