大いなる力には、強い自制心が求められる

 先日、京都の堀川通をバイク (スーパーカブ DX70)で走行していた。堀川通りは最大で片側6車線にもなる大きな通りである。赤信号で停止した私は第2走行車線にいたのであるが、第4走行車線に、CB400というHondaのバイクがいた。名前の通り400ccで馬力はノーマルでも53psある。パワフルな走りを売りにしている軽自動車は概ね64psだから、53psというと普通の軽自動車くらいの馬力になる (例えばSUZUKIの”アルト”は52ps、”アルト ターボRS”は64ps)。それでいて重量は人間の体重を入れても軽自動車の1/3程度しかないので、ちょっとしたスポーツカーより速い。

 信号が青になる少し前に、第1走行車線に白バイがやってきた。隣の車線にいた私は当然気付いたのであるが、第4走行車線にいたCB400のライダーは気付かなかったようである。CB400は信号が青になると同時に素晴らしい加速で飛び出して、そしてあっけなく白バイに捕まった。おそらく、青信号で飛び出す前から、取り締まり対象になるスピードを出していたのをチェックされていたのだろう。私は白バイがいるのを見てゆっくり発進し50km/hの制限速度で走っていたので、捕まったバイクを横目に通り過ぎた。

 ちなみにスーパーカブ 70DXは馬力が6psである。乗り手の体重を合わせて重量が約150kgだから、パワーウエイトレシオでCB400とは5倍くらいの差がある。ゼロ加速は確かに弱いが、2人乗しなければ一般道を走るのに困ることは余りない。私は普通二輪の免許を持っているので、250ccや400ccのバイクに乗りたい気持ちも確かにあるが、自分の自制心を試すことになる点と燃費について考え、スーパーカブで十分だと思うようにしている。

 なお、白バイは一般に750cc以上であり中には1300cc程度のものも配備されているので、400ccよりも更に速いが、交通機動隊の白バイの走りを見ていると、ランプを点滅させて違反者を追いかける時以外は、きっちりと制限速度を守っているし、一時停止や右左折時の徐行もしっかりしていて、非常に模範的であると感心させられる。

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