公式競技用の的を作る

 日本ゴム銃射撃協会における公式競技種目は3種類で、競技は全てターゲットに当てるタイプものなので、それぞれ決まったサイズのターゲットを必要とします。正式な競技の説明については本家の「日本ゴム銃射撃協会公式競技」(外部サイト)を参照して下さい。このうちCPについては5円玉が“規格に合致する”(実際の競技でも5円玉以外のものが使われることはまず無い)ので特に製作する必要はありません。なので、MB用とFS用の2種類を作っていきましょう。

MB用ターゲットの製作

マッチボックの的

 公式ページより箇条書きで抜粋すると、主な決まりとしては、

  • 縦4cm、横3cm
  • 重量20g以内
  • 70°以上の角度で自立する
  • 素材は問わない
  • ゴムの威力で破壊されないこと
  • 色は単色ならなんでもよい

となっています。厚みに関しては記述がありませんが、競技では5〜10mm程度で直方体のものが使われているようです。それを考慮すると、的の体積は10mm厚だとして12cm^3なので、密度が約1.67g/cm^3なら重量の規定もクリアです。当然ながら、5mm厚なら約3.33g/cm^3までOKです。アルミニウムの密度は2.70なので、アルミニウム製の的でも5mm厚なら規格はクリアです。ただ、普通は発泡ポリスチレン(発泡スチロール)のような非常に軽い素材で作ります。ゴムが当たったときに的が動かないと判定が難しくなるからです。発砲ポリスチレンの的を使っていても、ゴムがかすった程度だと的が倒れずに少し動くだけ、ということはよくあるので、重量のある的だとかすっても微動だにしない可能性があります。もちろん、ゴムが的に少しでも触れれば当たりの判定となります。

 私はデコパネという名称で売られている発砲ポリスチレンの板から的を作っています。これは発砲ポリスチレンの表裏にカラー塗装が施されているもので、見た目が綺麗です。様々なサイズのものが売られていますが、個人でそれほど的の数を必要とすることは無いでしょうから、小さいので構いません。私はこの板を昆虫標本の展足用にも使っているのでストックがありますが。ちなみに厚さは5mm厚のものです。

 加工については細かく書く必要もありません。カッターで正確に40mm×30mmのサイズにカットすればいいだけです。強いて言えば、切り口が垂直でないと的が真っ直ぐ自立しないということでしょうか。安定性重視であれば、7mm厚のものを使えば立ちやすいのでお勧めです。。

 耐久性については、少なくとも私の使用しているゴム銃でこの的を破壊できたことはありません、としか言えないのですが、16番のゴムを使う限り大丈夫じゃないかと思います。ちなみに、3mくらいの距離からエアガンで撃ったら、貫通こそしないものの玉がめり込んで破壊されました。桧の30mm×5mm工作材から作った的にもへこみ傷を付けたので、ゴム銃以外では撃たないようにしましょう。

FS用ターゲットの製作

フライシュートの的

 次にFS用の的を作って行きましょう。同じく公式ページから抜粋すると、

  • 幅10mm、縦横5mmの直方体
  • 重量5g以内
  • 素材は問わない
  • ゴムの威力で破壊されないこと
  • 色は単色ならなんでもよい
  • 空気の流れで移動したりしないこと

 こちらはMBよりもはっきりとサイズが決まっています。そして重量の制限はMBよりもゆるいです。的の体積は0.25g/cm^3ですから、密度が20g/cm^3まで可です。金の密度は19.32g/cm^3なので、純金でもOKです(笑)。ただし白金は21.45g/cm^3なので中空にしないと無理です。ですが、やはりこちらも的が当たったときに動いてくれないと困るので、軽い素材で作ります。MBよりも正確さが求められ、当たったときに吹っ飛ぶことも多いので、やや固めの素材で作られることが多いようです。

 発砲ポリスチレンは様々な密度のものがあるので、高密度のものを選ぶのもいいですが、私は5mm×5mmの桧工作材から作っています。少し余裕を持ってカットし、ヤスリで削りながら調整します。ちゃんと直方体になるように正確な作業が必要です。もちろんゴムの威力で破壊されることは無く、吹っ飛んで壁などにあたるといい音がします。